夢の実話

とても記憶に残る、いい夢を見ました。暫く忘れそうにないので書こうと思います。

 

 

僕は鍋フェスティバルに友人二人を誘い行くことにしました。

皆が自慢の鍋を持ち寄り、食べ比べをするイベントだと伺っていましたが、誰も持って来てはいませんでした。僕は恥ずかしくなり、僕が持ってきた鍋はカバンに入れたまま出しませんでした。

鍋フェスティバルの開会式が行われた後、ぼくら3人は座席を確保し、鍋の待機列に並びました。

鍋フェスティバルはとある専門学校の一部を借りて行ったもので、校舎の中から列が伸びていました。その列が校庭の座席付近まで続いていましたから、相当な長さの列だったのだと思います。お腹が減っていた友人二人は駆け足でその列に並び、僕も並ぼうとしました。すると、若い五人組が僕のすぐ目の前で並びました。友人とは五人分離れてしまいました。

僕は、友人がいるからといって列で割り込むのは嫌いでした。また、友人をこっちに呼び寄せるのもなんだかシャクです。彼らが五人分遅く、鍋にありつけることになるのは申し訳ないような気がします。しかし、せっかく友人を誘って鍋フェスティバルに来たのに、列に並ぶ相当な時間一人で並ぶのも気にくわないと思いました。

しょうがないので、僕はその校舎で散歩をすることにしました。彼らが鍋を手に入れた時一緒に合流し、二人の食べる様子を眺めながら、一口貰えばいいか。と思ったのです。

校舎の中では生徒たちがなにやら商品を売っておりました。学校祭と同時開催なのか、鍋フェスティバルに便乗してちょっと稼いでやろうという生徒が居たのかは分かりませんが、思ったより楽しめそうだ、と僕は内心喜びました。

 

散歩していると、鍋の行列の元となるフロアを見つけました。校舎は吹き抜けとなっており、上の階から見下ろすことが出来ました。僕は友人二人が鍋をもらう様子を上の階から観察し、あわよくば写真を撮ろうと考えました。早速3階に上がると、1階の賑やかさも殆どなくなり、物を売っている生徒は居なくなりました。

こんなとこ、誰もこないわな。と一人納得したのち、3階に入ってよかったのかな。と急に不安になりました。あたりを見渡すとゲーム部と書かれた看板がありました。出し物をしてるくらいなんだから3階に来てもよかったんだなと安心しました。

1階の鍋を受け取る様子はゲーム部の看板の近くで十分見ることができました。友人らが来るのは大分あとだろうから、ゲーム部に入り時間を潰すことにしました。

ゲーム部では展示が行われていました。パーテーションで区切られた向こう側で話し声が聞こえるので、すでに部員が他の客と話しでもしてるのでしょう。僕は勝手に中に入りました。

 

 

そこからの記憶はおぼろげですが、気づくと僕は電車に乗っていました。見覚えのある景色です。

すると、ある男だか女だか分からない容貌の美人に話しかけられました。この時、この人に殺された情景が浮かんだのです。

記憶を辿ると、この人とこの後、18ゲームというゲームをすることになり、僕が負けました。その結果、何らかの形で殺されたことまでを思い出しました。

そこで、僕がゲームの中にいること。過去の選択肢を間違えて、殺されてしまったこと。ロードをして、今やり直していること。だから前のセーブデータの記憶がおぼろげにあることを理解しました。

美人は僕に「次の駅、__駅であってたっけ?」と尋ねました。

視界の下にはセリフが表示されています。やはりここはゲームの世界のようです。

「ああ、そうだよ」僕はプログラミング通りに答えたみたいです。

「そっか、ありがと!」と美人は言いました。

電車が走りだしました。

 

ダメですね、この辺りも記憶が曖昧です。18ゲームをするまでのシーンは、今、この文章を綴っている時には過去の選択肢ですから、記憶が消されているのだと思います。

先にオチをお話ししますと、僕はこの後18ゲームで勝つのですが、その後また殺されてしまうのです。

次にロードした時は18ゲームで勝ったシーンから始まるのでしょう。僕の今の記憶は18ゲームで勝った後、殺されるまでの記憶が濃く残っているのです。

 

18ゲームというのは交互に数字を言い合い、18を言ってしまったら負けというゲームです。数字は1個から5個まで好きな回数言うことができます。

僕「1、2、3、4、5」

美「6、7」

僕「8、9、10、11」

美「12、13、14」

僕「15、16、17」

美「18」

美人は18を言って負ける。そういう構造でした。

ただこれをやるのではなく、なにか魔術の詠唱を途切れさせるのだったか、攻撃のタイミングを見計らうだったか、そういったストーリーに置き換えられた18ゲームでしたが、18ゲームであることを理解すると簡単なことでした。その時、前のセーブデータで負けたことを少し恥じました。

 

美人は爆弾魔でした。記憶が定かではありませんが、何かしらの方法で僕はその美人が爆弾魔であることを突き止め、戦闘として18ゲームが行われたのでした。

爆弾魔は奥の車両へ逃げて行きました。

 

そこで、モノローグが視界の下に出現しました。声も聞こえました。「自殺する人はなぜするのだと思う?」

ぼくはプログラミング通り「」といいました。

「自殺は、誰も見ていないから発生するんだよ。最後の最後で、誰にも見つからなかったから自殺できたんだよ。また、他殺も同じだ。誰も犯行の準備や犯行現場に気がつかないから、行動を起こせちゃうんだ。」

ぼくは、一理ある。と一瞬思いましたが

「でも、人に見られても自殺する人はいるじゃないか。たくさんの人の前で殺す人だっているじゃないか。そんなのは一側面に過ぎない。」と心の中で反論しました。心の中で会話ができる系の設定だと思ったのです。

声は、黙ったままでした。電車は停車していたようで、ちょうど今、再び動き出しました。

「おい、お前が話しかけるから爆弾魔のこと忘れちゃったじゃないか。」と僕は心の中で愚痴りましたが、声はやっぱり返事をしませんでした。

ふと僕は声がなぜあのタイミングで、あんなことを喋ったのかと思いました。すると、あそこの駅で列車を降りるのが選択肢だった。降りて僕が何かを目撃することで、犯行を未然に防げると声が言いたかったのだと思いました。爆弾魔の姿も、列車の中にはありません。

 

もう列車は止まりません。ぼくは、ああ、また死んだのか。と思いました。負けイベントを見るような脱力感に包まれました。

列車がそのまま走っていると、右側に物々しい機械のようなものがありました。そこには例の爆弾魔の姿があります。列車よりも早く移動したのか、双子の兄弟なのか。まぁ、ゲームの世界なのでなんでも良いのでしょう。

そのまま走っていくと、地面がやけに濡れています。さらに走ると、煙が立っています。濡れていたのは油なのか?あの機械と油、事前に出る煙、どういう理屈なのかは知りませんが、死ぬんだろうなと思いました。直後、列車が爆発しました。

 

視界の下にモノローグがあるように見えましたが、頭が働かず視界もボヤけた僕には文字が読めませんでした。爆弾魔の姿もあるような気がしました。何か、僕に言っているのでしょうか。なんとなく、ざまぁないぜと言われているような気がしました。

こいつ、来るには早過ぎないか、この辺りは火の海じゃないのかなどと考えながら意識が遠のきました。

 

 

 

 

以上が先ほどの夢の内容です。

 

かなり濃く記憶していた夢であったことと。途中でも書きましたが、過去の選択肢の部分の記憶(夢)がワザと消されているように思えたこと。また、これを記録することで、またゲーム部の部室に足を運べ、ロードができるような気がしたので綴りました。

 

先日夏目漱石を聴いたことが何か、影響があったのでしょうか。夢自体が朗読されながら進んでいるような感覚でした。

 

つづけ