歯磨きの小話

小話をしましょう。

 

僕は歯を磨くのが好きではありませんでした。

効果が実感できないもの、無意味に感じるものが嫌いだからです。

また、親からも歯磨きをやれと教育することが少なかったように思います。

 

効果が実感できないというのは、僕は虫歯になったことがないからです。

歯を磨こうというキャンペーン、ポスター、絵本では皆虫歯になります。

歯を磨かないと虫歯になる。そして痛い思いをする。だから歯を磨こうと書いていました。

虫歯にならないことが正しいことだと思っていたので、あまり熱心に歯を磨きませんでした。

 

虫歯にならなかった理由の一つとして、父親が甘いお菓子やスナック菓子を食べないよう、教育していたことがあると思います。

おかげで虫歯にならず、痛い目も合わずに済みましたが、いっそ痛い目に合うべきだったんじゃないかと今では少し思います。

 

28歳になり歯医者に行き、歯周病だと言われました。ようやく、歯は磨くべきなんだと考え直して頻繁に磨くようにしています。

また同じ頃、自分の口臭の確かめ方というのを漫画で読みました。自分の唾液を手の甲などにつけ、15秒ほど乾かし、匂いをかいで臭かったら口臭があるとするものです。

案の定、しっかり臭かったです。

 

歯を磨くようになって気づくことは、歯を磨かず時間が経つと口の中がネバネバしています。そしてこの時に嗅ぐとしっかり臭い。

このネバネバ状態で喋ろうとすると、発話にネチャネチャ音が入ります。ネチャネチャ音は自分でも気付きますから、半無意識に気をつけていました。

対策は簡単で、あまり大きく口を開かないこと、モゴモゴ喋ることです。そうすれば音は出ません。

 

大きな声で喋らなくなりました。また、社会人になりストレスがあったり、友人と会わなくなったりすることで表情も硬くなってきました。

そうすると唾液の分泌が減ってきます。尚更ネバネバになりやすくなります。

余計小声で話すようになります。

小声で話す人間は大勢での飲み会などに向いていません。出会いの場もありませんし、お友達も増えません。

 

 

僕は歯を磨かなかったせいで、独りのジメジメとした人間となったのでした。

 

 

 

 

みたいな、仮説を立ててみました。

人生何が原因か分かりません。というか大体は複合原因だと思っています

そして歯磨きと今の性格の因果関係が0.01%なのか、50%なのか分かりませんけれど、少しは担っているかもしれないなと思って書きました。

単純に口臭がキツくてっていう原因も当然あるでしょうしね。

 

オチとして独りのジメジメとした人間と書きましたが、そこまで普段から卑下しているわけではありません。今回は物語なので便宜上。